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良かった話

 このところ、図書館での良いお話がいくつかあったので。

 読書家のAさん、普段は分室の利用なのですが、読書家なだけに分室だけでは物足りなくて分館まで足を伸ばされることがあります。この方、当初は色々と注文が厳しかったようなのですが、最近はすっかり打ち解けて、心安く職員とのおしゃべりを楽しんで帰られます。あたしたちも、この本がこういうところが面白かった、という話を聞かせていただいて勉強になります。

 旅行が趣味のBさん、最近も海外に出かけられて、その時の写真を持ってきてくださいました。なんでも、旅行の前に事前に下調べをすることはなかったそうです。でも、今回、うちの図書館で行き先の資料について尋ねたところ、丁寧に色々な資料を提供してもらえて、おかげで旅行が充実したものになったと喜んでおられました。いい図書館だとほめていただいた上に、これはお世辞じゃないからね、とまで言われて、図書館で働くものとしては嬉しいばかりです。

 これは分室での話。近くの小学校に通う小学生たちは学校が終わると分室にやってきます。保護者の方のお迎えを待つためです。保護者の方にとっては、かけがえのない存在になっているようです。もっともきちんとした学童保育の場がある方が、より良いのではありますが。

 他にも、図書館に来るとほっとする、というお話を聞くと、誰でも利用できる、という図書館の本質に沿った在り方ができていると実感できて、嬉しい限りです。これも、うちの職員さんたちの人柄のおかげが大きいなぁ、と、心から感謝。お金で人柄は買えませんからね。そういう意味でも、人員使い捨ての指定管理制度は、せっかくできた図書館と利用者との関係を壊すものなので、行政部局の再考をお願いしたいところです。

本日のお品書き

本と人をつなぐ図書館員

著者:山内 薫

本と人をつなぐ図書館員  図書館の障害者サービスとは、障害者へのサービスではなく、図書館を利用するのが困難な人全てへのサービスのことである。

 わかっちゃいるけどやれてない、というのが多くの図書館の現状ではあります。

 この本を読んでいて思ったのが、分類を社会福祉にして、社会福祉の現場で働いている人たちに、こういう図書館の利用の仕方があるのか、と気づいてもらって、積極的に図書館を利用してくれないかな、ということでした。・・・ダメですかね、他力本願すぎて。

 でもね、図書館に現実に来ていても本を借りるくらいで、リクエストや予約ましてやレファレンスサービスのことを知らない人が多いのだから、周知の意味でも。

 この本を書かれた山内さんはフットワークが軽いし、協力者の援助要請も手際よくこなしておられてますが、一般の図書館現場の職員が他施設、他機関への協力要請ができる状態にあるのでしょうか。現に、正規職員は図書館職員全体の中でも少数派だったり、図書館の基幹部分は委託されてたりして、図書館サイドが動いて障害者サービスを拡充するのは難しい状況にあるように思います。

 やらなくてはいけないことなのでね。できれば、具体的に良い思案をしたいとは考えています。

 

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