帝都参上つかまつり~その7
劇団昴の「スタア」。俳優座劇場での上演。俳優座劇場は六本木のど真ん中にあるイメージです。非常に由緒ある劇場のようで二階の小階段の壁面にはそうそうたる演劇人の肖像が飾られていました。
入ってすぐのロビーでパンフレットと彼哉さんのファンクラブ経由でチケットを買った人だけもらえるプレゼントをいただきました。嬉しいワンダフル。何が入っていたかは、後のお楽しみということで。
客席数は300席とこじんまりしておりまして、どこに座っても舞台が近いのです。なのですが、自分はさらに近い。チケットでは3列目となっていたのですが、なんと1列目が存在しなかった。実質2列目。その上に座席と舞台の間が1メートルもないから、さあ大変。ありえないくらいの近さです。
実際、舞台の際でもみ合うシーンに、思わず止めに入らなくては、などと思ってしまうほど近かったのです。いや、現実で他人の喧嘩に遭遇したら、即座に逃げろよ、自分、なんですけどね。
さて、内容ですが、筒井康隆原作だけに、というより、筒井康隆原作を一体どうやってお芝居にしたのだ? という疑問を抱いていたのですが、ものすごかったです。特に後半、怒涛の勢いで、ありえないシチュエーションが噴出しました。テレビとか映画だと特殊効果で表現できることを、舞台という限られた空間で表現するのはたいへんです。でも、やっちゃうところがすごい。
冒頭いきなり、まさかの濃厚シーンにビビりました。何せ近いから余計。しかもか・・・、彼哉さんでしたか、女性の方。ダイアナさんのイメージがどうしてもあるので、完全に想定の外でした。一応、覚悟はしていたのですけど、やはりびっくり。
そして人が出入りするたびに起きる恐ろしかったり、いかがわしかったりする出来事。その歪みっぷりやら、掛け合いの絶妙さに思わず客席に起きる様々な笑い声。複雑な構成です。これもやはりネタばれしないように、詳細は書かないのですが、というか、これ書けないです。書いていても面白くない気もしますし。
見ているうちに、ふと、原作を読んだことを思い出しました。むか~し昔、まだいたいけな女子高生の頃、図書館の隅っこで毒に満ち溢れた筒井作品にはまりこんで読んだものでした(・・・く、暗い青春だ、今思えば)。何という本か思い出せないのですが、短編集の一作でした。そもそも戯曲として書かれたようなので、それを小説として書きなおされて収録されたようです。会話のやりとりで記憶の糸に触れてから、主人公の切れた長セリフやラストへの怒涛の混とんぶりで、どんどん記憶がよみがえりました。思いだして、あの小説って最後、本当に混とんとした世界になっちゃったんだけど、それ、舞台でやるのって可能なんだろうか、と改めて思ったのです。うん、だって、日本の高級マンションの一室が舞台なのに、そこへアフリカとか北極とか挙句は宇宙空間とかが乱入するんですよ(は、ネタばれ? いや、これだけでは何のことかわかるまい)。
とにかく役者さんたち皆さんが素晴らしくエネルギッシュで、不条理で、笑わせられたお芝居でした。
ここからは彼哉さんファンとして思ったこと。彼哉さんは、今回、ヒットチャート2位に輝く人気歌手=スタアなのです。とっても美しいです。でも下積みからのし上がってきたしたたかさもあり。自分にとって利益のある存在(週刊誌の記者、有名作曲家など)にとっては非常に可愛らしくふるまい、自分にとって不利益をもたらす相手には思い切った行動にも出ます。ものすごい二面性があるのですが、それが一人の人間の中にあって、なおかつ矛盾しないのがすごかった。残酷にもなるし下品な言い方もするのだけど、ずっときれいな人なんですよ。役者さんってすごいです。
それからスタアですから、お部屋に自身の写真がたくさん飾ってあるのですが、ファンとしては、やたら嬉しい事に、あ、公平先生ライブの時の衣装だ~、おお、繻子ライブ~とか、見覚えのある写真を発見してはしゃいでしまいました。ある意味、手作り感あふれる小道具ですねぇ。
さて、お楽しみのグッズですが、なんと薔薇の香りのバスソルトでした。さすが彼哉さん。薔薇が似合う方。帰宅してから、早速、使わせていただきました。いい香りに癒されましたよ。
そしてお写真。もちろんサイン入り。でも、これがかなり怖い写真なのですよ。「スタア」のポスターは歌手の杉梢のポートレート風なのですが、彼女の内面を表しているのか、きれいだけど怖いのです。そのポスターに触発されて撮影された写真なので、ビジュアルロック歌手みたいです。
ところで、前日の「男と女と浮ついた遺伝子」もそうでしたが、ほぼ2時間の上演時間で、間に休憩はなし。確かにコメディですから、途中で気持ちが切れるのはよろしくないです。ただ、尾籠な話で恐縮ですが、日本人、特に女性はトイレが近いので、お芝居を見るのに、違う意味での緊張感があるかも、ですね。
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