金魚好き
園崎さんのツイッターで金魚展があると書いてあり、そのホームページを見ましたら、とても素敵でした。金魚、熱帯魚もですが、魚がゆらゆらと水の中を泳いでいるのを見ると和みます。もっとも、今回の本に出てくる魚は金魚ではありませんが。表紙の陶磁(?)の金魚が可愛いのです。
帯が「祝 本屋大賞」となっていました。はっはぁ、関連で売上伸ばす気ですな。本が売れることは、何にせよ出版業界隣接業者にしては喜ばしい限りです。
さて、最初、タイトルを「ツキウオ」と読んでいました、奥付見るまで。「げつぎょ」が正しかったです。とはいえ広辞苑には載っていない言葉なので、作者の創作と思われます。間違って読んだ皆さん、安心してください(トホホ・・・)。
作品の舞台背景は現代の古書店の若き主とその友人の人間関係を中心に描かれていますが、古書店業界についても知識が増えます。なんか最近の小説とか漫画で古書店が舞台のものが多い気がしますが、こちらは平成13年に単行本が出てますんで、当時としては貴重な内容だったかと思います。興味深かったです。特に出張買い取りのシーン。物語のクライマックスでもあり、ちょっと実写で見たい気もしました。真剣勝負は何事によらず良いものです。
ただ、中心はあくまでも二人の若者の微妙な人間関係で、途中までBL展開になるんじゃないかとハラハラしました。そういう描写は、少なくとも具体的な描写は一切ないので、そっち系苦手な方でも大丈夫です。少なくとも、と書いたのは、文庫書き下ろしの方の人物が、ちょっとヤバイ感じだったので。
またまた話が脱線しましたが、BL疑惑については忘れてっと。
二人の微妙な関係に、それぞれの父と子の葛藤がベースにあり、それを絡めて、上に書いた買い取り勝負というダイナミックな出来事がかぶさり、静かにラストを迎えます。ちょっと大げさですが谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」の風景のような書きぶりに感じました。おかげで読み耽る快感を久しぶりに味わいました。
三浦さんの作品は「神去りなあなあ日常」などの軽妙な書きぶりやエッセイのヲタクぶりが印象に強かったのですが、改めて底力を感じる作品に出合えてよかったです。
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