なかなか難しい問題ですが
有川さんの最新作、相変わらず、よく売れているようです。自衛隊を毛嫌いしている人は買ってないかも、ですが。タイトルにある広報室の商品が、なんせ航空自衛隊ですんで。う~ん、昭和59年に掲載された川原泉さんの漫画「アップルジャック(『空の食欲魔人』所収)の頃と変わっていないんだなぁ。いや、自衛隊の是非を問うつもりはないので。滅相もございません。ただ、自衛隊を取り扱うマスコミのやり方には、いささか疑問はありますけど、それについては、この作品を読んで、ちょっとスッキリしました。もっとも、マスコミについて思うことは、この件ばっかりではありませんが。
作品から話が逸れてしまいました(反省)。
自衛隊の話ですが、広報室というだけに、内容は「図書館戦争」シリーズよりも「県庁おもてなし課」に近いです。仕事とは何か、どうするべきか、について考えさせられるものです。特に若くして有能で挫折して、という主人公たちに、特に若くもなく有能でもなくても挫折部分に共感を抱いてしまいます。迷いの中で、意固地になって。そういう時に、ミーハーでも気持ちを分かってくれる上司の存在というのはありがたいですね。・・・むしろ自分自身が、そういう上司である世代なので、実は肩身が狭かったりもしますが、でも、良いものは良いと断言しましょう。ついでに希少価値なのも。
ちなみに自衛官と結婚するのは転勤が多いため、たいへんだそうです。有川さんの他の作品にも記載されていますが、「ヨメさんは萌え漫画家」を読むと、本当に大変なのがわかります。結婚前の話ですが、東北大震災の前に婚約し、その2ヵ月後に挙式の予定というリアルタイムで影響を受けているので。「空飛ぶ広報室」に収められている「あの日の松島」も震災との関係が書いてありますので、比較して読むと・・・、えっと読むと、理解が深まるということにしておこう。
なんで、こんな話題を書いたかというと、有川作品にしては甘度が低めだったもんで。まあ、現実を考えるとバリキャリのリカさんが自衛官と結婚するのは単身赴任前提。子どもが生まれたら、ママ一人で時間が不規則な仕事しながら子育て・・・。かなり無理な気がします。無理というか、心身ともに消耗しそう。続編書かれる時は、この辺りも突っ込んでいただけると自衛官の結婚問題が改善されると思いますので、よろしくお願いします。
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