これは去年の今頃のお話。脚本風に仕上げてみました。
いつもの今泉家のダイニング。今泉くん上手から登場。テーブルにカバンと紙袋を置く。
「ただいま。」
「あ、お帰りなさい。」
「なんかいいことあったの?ケーキ焼いてるけど?」
「うふふふふ~。そういう自分こそ、なんかいい匂いのするもの持ってない?」
「ああ、これかな。家庭クラブの部長がくれたんだ。食べる?」
「そうねぇ。(袋から中身を取り出しながら)わあ、チョコクッキーにチョコレートケーキ、トリュフまであるじゃない。あら、チョコレート尽くし。・・・ということは、もしかして一足早いバレンタインチョコじゃないの?!・・・それにしてはラッピングが貧相な気が・・」
「あのねぇ、いくら僕でも自分がバレンタインにもらったチョコを母親に食べろ、なんて言うわけないだろ。家庭クラブでみんなに頼まれて作ることになっているバレンタインチョコの練習台の余りをもらったんだよ。」
「そうなんだ。そうよね、下手に自分で手作りするより得意な子に頼んだほうが安全よね。でも、作ってあげてもお金もらったりできないんでしょ?」
「材料代はもらうみたいだけど、なんかそれよりプライスレスなお礼がもらえるらしいのがどうとか。」
「プライスレスねぇ。なんとなく見当はつくけど。それより、これ全部食べるの?」
「どれが一番気に入ったか教えてくれって頼まれた・・・」
「え、何?あなたがどれが一番美味しかったか、ってことを聞かれてるの?」
「うん。」
「うん、じゃない。はー、わが息子ながら情けない。全くお父さんそっくり。接待ゴルフを自分の趣味と勘違いしているような、不器用を絵に描いたような生真面目な日本のお父さの代表みたいな。」
「何をいきまいているのかわからないけど、こっちのケーキの理由は何?」
「ああ、そうだ、森哉くん、一緒に東京に行かない?」
「は、何しに?」
「何しにって、ちょっと行きたいところがあるの。でも、都会に一人で出かけるなんて、お母さん、ものすごく久し振りだから不安で。」
「いや、僕も母さんが一人で東京に出かけて、目的地にたどり着ける見込みが薄いのはわかるけど、でも何しに?」
「・・・ちょっと、ライブに・・・。」
「何の?」
「・・・アレ。」
「アレって・・・、もしかしてあの・・・アレ?」
「たぶんもしかしなくても、アレ。」
「で、このケーキは懐柔策というわけか。・・・あー、頭痛い。普通の高校生がケーキで釣られるわけないだろうに。」
「だめ?」
「行きたい、というのはよくわかった。でも学校も部活もあるから無理。いっそ親父と行ってくれば。」
「できるわけないでしょ!!そもそもゲームだって、こっそりばれないようにやってるのよ、専業主婦の特権をフルにいかして。」
「自慢にならないから、その辺。」
「うう、痛いところを・・・。こうなれば最後の手段。谷さんに頼もう。」
「は、谷さんに?・・・気の毒に。いわゆる堅い職業の人なのに。高校時代の同級生だってだけでどこまで面倒かけられるのやら。」
「いいの。彼女、自分の好きなことに忠実に生きることにしてるから大丈夫。」
「母さんもいいかげん親父にカミングアウトしたら?」
「・・・ダメ、絶対ダメ。恥ずかしすぎるもの。」
「息子にはばれてもいいんだ。」
「だって、あなたは生まれたときから一緒だもの。色々、お父さんとは違うの。さ、電話しよっと。」
「(電話をかける後姿を見ながら独白)親父、社宅時代の近所付き合いで精神的に参った母さんが現実逃避でゲームにはまったこと知ってるし、小学生の僕に、母さんは一風変わってるかもしれないけど、ありのままの母さんを受け入れような、って言ってた人なんだけど。まあ、いいか。」
***幕***
去年の今頃なのでアレは武道館のアレです。わかる人だけわかる、わからない人は適当に想像してください。初めてチケット大戦に参戦したのも懐かしい記憶です。いやぁ、武道館はすごかった。あんな鳥肌が立つような歌が聴けて、あたしは本当に幸せでしたよ。それにしても今年の今泉くんはちゃんとなんとかなったのか、な?
本日のお品書き
| chocolat(ショコラ) アーティスト:園崎未恵 |
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本日発売。家に帰ったらこれが届いているかと思うと嬉しくて嬉しくて。朝からテンション上がりまくりでした。落ち着け、あたし。
というわけで、冷静な感想とは全く無縁です。無関係です。それでもよければお付き合いください。
まずジャケットの白のチュニック(ワンピース?)を着た園崎さんがほのかな明かりの中で微笑んでいるのに心の中でキャーって叫び、もう一回落ち着け、と自分に言い聞かせてしまいました。中を開けると、今度はそのままお持ち帰りしたくらい可愛らしい黒のベルベットのワンピースを着た園崎さんがいるではありませんか。あ、変な意味じゃないですよ。お人形さんみたいに可愛らしい、と言いたいだけですからね。さらに歌詞カードを開こうとしたら今度は白園崎さんと黒園崎さんが二人でチェスをしているではありませんか。はい、ファンには嬉しいサービスです。
さて肝心のお歌は、といいますと、なんかまたイメージが変わりましたよ。前回はハピラッキーな明るい曲が中心でした。その前のCDはリリカルで切ない歌声にまいりました。今回はジャズ、ということなんですが、本当に歌い方が違うんですよ。なんというか、役者さんなんだな、としみじみ思いました。
歌い方がね、なんともいえません。ジャンルの問題じゃなくて、とにかくやたら音階が行ったりきたりしてる上に、歌詞の音符へののせ方が超絶技巧的ではないかと思うのですが。音楽に詳しくないので本当はどうか判断できないのですが、ものすごく歌いにくい気がします。いや、少なくともあたしは歌えません。でも、園崎さんの歌は歌詞がきっちり聞き取れるのがすごい。歌詞カード不要なくらい。そういう技巧的な曲が多かったのでカバー曲である「all of me」「one more kiss dear」で一息つく感じです。
それにしても本当にすごいのは、最初はそこまででもないのに聞けば聞くほどはまる、クセになる歌声かもしれない。当分、このCDばっかり聞いてることになりそうです。
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