レファレンス?
まあ、図書館の仕事の中でも難易度高いのがレファレンスというヤツです。これはね、こればっかりは役所仕事の範囲を超えるのさ。役所の主な職場では基本的にはそれぞれの担当課で尋ねられる質問てのは決まっているのに対し、図書館での問い合わせは千差万別。ごく簡単な「この本ありますか?」から、いや、それは国会図書館とかでないと、ちょっと無理かも的な質問まで。何が来るかは予想がつかない。まさにギャンブラーな性格のあたしにうってつけ(かもしれない)。
そうはいっても限界はあります。まず医療相談は受けられません。最近、お腹の真ん中あたりが痛いんだけど、何の病気だろうか? な~んて聞かれたら、病院に行ってください、というのが正しい態度。もちろん腹痛に関する本が読みたい、と言われたらお答えしますよ。でも、その本を見ながら、これだと思われます、とは言っちゃいけないよ。それは診療行為だからね。
もちろん株の本を見ながら、この会社の株は売りだ買いだは論外。後、法律相談もね。そういや土地の仕事をしていた時、よくねじこまれたよな、隣人との土地の境目問題。市の土地と隣接していれば、当然、市と協議するべきなんですけど、個人間の土地の境界は、あくまでも個人間で相談してね。
でもまあ、気軽に聞きやすいのが図書館なせいか、時々、困った質問があります。一応、個人情報がわからないようにしますが、それでも問い合わせの内容なので、若干、質問の内容を変えて書きますね。
まず、頭が痛かった質問。このきれいな景色の場所に行きたいけど、どこでしょう? はい、確かにきれいな写真です。でも、その・・・、例えば旅行ガイドとか写真集とかだと、撮影場所は書いてありますが、そうでないと場所の特定まではちょっと・・・。仮に旅行ガイドだとしても、その場所への行き方の説明は難しいですよ。起点は家にしても、そこにだけ行くわけじゃなかったりしますからね。全体の旅行日程の中で、どう行くかは、あくまでも本人の判断ですし。例えば花だとか紅葉だとかが見たい、となると、時期もありますので、こういうのは現地の観光ガイドに問い合わせてみないことには・・・。図書館としては、その観光ガイドの電話番号までを教えるのが精一杯な気がしますが、いかがでしょう?
それから、通りすがりの年配の方から、携帯電話の画面が変なんだけど? というご相談。・・・勘弁してください。私物、しかも個人情報が詰まった代物をどうしろとおっしゃるので? 気持ちはわかります。そりゃあ、十代二十代の若い頃なら、ガンガン使い倒して機能も精通してますでしょうよ。でも、家族から連絡が取りやすいようにって持たされている年配の方は、いくら簡単機能と言われても、訳わからないのが普通だと思います。それでもね、機種が違うと使い方わからないのよ、こちらも。これについては、取扱説明書を見ないと我々もわかりません、とお答えしました。というか、それ以外にどう答えるべきか不明な不憫なあたしたち、なのでした。
さらにはワードの改ページがうまくできないけど? とか言われた日には、貴様にパソコンをいじる資格なし、と非道な言葉を吐きそうになるのもむべなるかな(もちろん、そんなことは口が裂けても申しません)。まあ、これは例えで、自分だって、画像の挿入がうまくできないとか、表がうまく設定できないとか、もうたっくさんパソコンの操作で困ったことがあるわけです。でもね、それって、各々のパソコンによって違うわけなのですよ。OSもそうだし、同じWORDであってもバージョンによって違うし、タスクバーの位置とかユーザーによって違うわけだし・・・。初心者用の説明本はお貸しいたしますので、どうぞご利用くださいませ、なのでした。
しみじみ思うのは、この十年で世の中が変わったなぁ、と。これは情報機器が生活に入り込んだことを言うのですけど。図書館に来る中高生でイヤホンのついた何がしかの機器(ipodにしろ携帯ゲーム機にしろ)を持ってない子っていないんじゃないかな・・・。たまたま医療機関で働いている年配の方とお話したとき、自分たちの年代で電子カルテを導入されても、とてもついていけない、とこぼしておられるのを聞くとね、便利は便利なんだけど、あまりに急激すぎるな、と。何かの雑誌で読んだのかな、今の四十代、五十代は仕事ができないっていうの。う~ん、それってどういう基準なのかわからないけど、もし、パソコンとかが使いこなせない、というのであれば、それだけが仕事ではないだろう、と反論したいのでした。
ちょっとレファレンスの話からテーマがずれましたが、まあ、聞いてあげるのも仕事の内でございます。どう答えるか、それが相手にとってベストかつ図書館として妥当性が高いか、それが職員に求められるスキルではないかな、と思うのでした。
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